実地疫学専門家養成コース運営要項
2025年12月19日
実地疫学専門家養成コース運営要項
(目的)
第1条 国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(Field Epidemiology Training Program。以下「FETP」という。)を円滑に運営するため、国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP)運営委員会規程第6条の規定に基づき実地疫学専門家養成コース運営要項を定める。
2 FETPは、感染症の流行・集団発生時には迅速かつ的確にその実態把握及び原因究明に対応し、平常時には質の高い感染症サーベイランスやリスク評価の実施並びに体制の維持及び改善に貢献できる実地疫学専門家を養成することを目的として実施する。
(実施主体)
第2条 FETPの実施主体は国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所応用疫学研究センター(以下「応用疫学研究センター」という。)とする。
(FETP研修員)
第3条 別に定めるFETP研修員募集要項の応募資格を満たした応募者から選考された者をFETPの研修員(「FETP研修員」という。)とする。
2 前項に基づき受け入れるFETP研修員の人数は、その年度の受入体制に応じて、適切なものとする。
(選考)
第4条 前条第1項の選考は、国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP)運営委員会規程第7条に基づき設置された選考委員会において行う。
(原則)
第5条 FETP研修員は、講義を通じて知識を習得するとともに、派遣実習を含めた実務研修を通じて実践能力を培うこととする。
2 前項の実務研修は、国際的な原則に則り、研修の期間の75%以上を充てることとする。
(研修の期間等)
第6条 FETPの研修は実地疫学専門家を養成するFETP研修又は地方研修として実施することとする。
2 前項に定める研修は、次の表の左欄に掲げる研修につきそれぞれ同表の右欄に定める期間、を実施する
|
研修の名称 |
期間 |
|
実地疫学専門家を養成するFETP研修 地方研修 |
二年間 二年間 |
3 第1項で定める地方研修は、自治体又はその所管する法人(以下「自治体等」という。)の協力を得て、第8条第2項に定める場所で実施することとする。
4 第1項で定める地方研修を受ける者は、第11条に定める協力研究員であるFETP研修員でなければならない。
(研修の内容)
第7条 FETPの研修は、実務研修を主とし、講義を含むこととする。
2 前項に定める研修の内容は、原則として、次の各号を含むこととする。
一 危機時である国内外の感染症アウトブレイク事例に対する実地疫学調査及び対応
二 感染症サーベイランスデータの分析及びシステム評価
三 平時からの国内外の感染症を始めとする健康危機事象の早期探知及びリスク評価
四 必要な疫学及び統計学的手法の習得並びに疫学研究への従事
五 国内外の感染症危機事象対応に寄与する情報還元及びコミュニケーション
六 国内外の実地疫学専門家ネットワークの構築及び維持
(研修を行う場所)
第8条 FETPの研修を行う場所は、国立健康危機管理研究機構のほか、国内外の国及び地域の専門機関並びに自治体及びその所管する法人とする。
2 第6条第1項に定める地方研修を行う場所(以下「地方研修所」という。)及びその住所は、次のとおりとする。
|
場所 |
住所 |
|
地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所 沖縄県衛生環境研究所 |
〒537-0025 大阪府大阪市東成区中道1-3-3 〒904-2241 沖縄県うるま市字兼箇段17番地1 |
(運営等)
第9条 FETPの運営責任者は応用疫学研究センター長とし、応用疫学研究センター第一室長が運営を統括する。
2 応用疫学研究センター第一室が、第7条第1項に定める研修を運営する。
3 FETPの研修を実施するにあたり、応用疫学研究センター第一室は、国立感染症研究所内関係部署と調整の上、一年度を計画単位とする年間研修計画を策定する。
4.前項に定める年間研修計画には、第7条第2項について、おおよその期間を明記することとする。
5 応用疫学研究センターの担当職員は、FETP研修員のメンタ-として研修の進捗状況の確認や研修内容の調整を行い、必要な助言を与える。
6 FETP研修員への指導は、応用疫学研究センター職員が行うとともに、応用疫学研究センター長の依頼により国立感染症研究所内の専門家が協力する。
(地方研修所の運営等)
第10条 第8条第2項で定めた各地方研修所における地方研修の運営の責任者及び地方研修指導者は応用疫学研究センターの長が指名する。
2 前項に定める責任者は当該地方研修所における地方研修の運営を統括する。
3 第1項に定める地方研修指導者は、地方研修所においてFETP研修員を指導する。
4 FETP研修員は、地方研修所において、地方研修指導者の指導のもとで、第7条第1項に定める研修を行う。
(FETP研修員の身分及び給与)
第11条 FETP研修員となった者の身分は、国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所における職員(以下単に「職員」という。)又は協力研究員とする。なお、身分を協力研究員とする場合には、所属元の自治体等における身分を有しなければならない。
2 職員であるFETP研修員の就業に係る規則は、国立健康危機管理研究機構職員就業規則(令和7年規程第5号) の定めるところとし、協力研究員であるFETP研修員の就業に係る規則は所属元の自治体等における関係規程の定めるところとする。
3 職員であるFETP研修員の給与及び諸手当は、国立健康危機管理研究機構職員給与規程(令和7年規程第19号)に基づき支給する。なお、協力研究員であるFETP研修員の給与及び諸手当は所属元の自治体等において負担する。
4 協力研究員であるFETP研修員は、国立健康危機管理研究機構の業務命令及び権限行使に直接かかわる業務を行うことはできない。
(経費)
第12条 FETPにおいて実施する実地疫学調査及び疫学的研究の経費は応用疫学研究センターが負担する。
2 協力研究員であるFETP研修員が使用する前項に定める以外の経費は所属元の自治体等が負担する。
(疫学調査)
第13条 自治体からの依頼に基づき実施する疫学調査において、FETP研修員は、研修指導を担当する職員の指導の下、調査研究を行うことができる。
(安全衛生管理)
第14条 FETP研修員に研修上の災害又は通勤による災害が発生した場合は、職員については国立健康危機管理研究機構職員災害補償規程(令和7年規程第31号)に基づき補償を行うものとし、協力研究員については所属元の自治体等の関係規程に基づき補償を行うものとする。
(守秘義務)
第15条 FETP研修員は、 FETP研修期間中に知り得た個人情報、機密情報その他職務上の秘密を、研修中はもとより研修終了後においても他に漏らしてはならない。
(評価者)
第16条 国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP)運営委員会規程第7条に定める選考委員会において評価者として指定された者は、FETP研修員の研修の進捗状況を定期的に評価する。
(評価)
第17条 前条に定める評価者は、FETP研修員の達成状況を判断するため、第7条に定める研修内容に係る課題の遂行状況、実務における態度及び遂行能力、成果発表並びに報告内容について、FETP研修員ごとに評価を行うこととする。
2 FETP研修員は、自己評価を6か月毎に実施し、前条に定める評価者の助言の下で、課題抽出及び目標設定を行うこととする。
3 FETP研修員の評価に際し、評価者は、人事評価等に直結するものではなく、研修成果に関するものであることに留意する。
(実地疫学専門家修了証書の授与)
第18条 国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所長は、前条に定める評価を踏まえ国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP)運営委員会により修了要件を満たしたと判断されたFETP研修員に、実地疫学専門家養成コース修了証書を授与する。
附則
この運営要項は、令和7年12月15日から施行する。


