Jun Kobayashi, Minetaro Arita, Shota Sakai, Hirotatsu Kojima, Miki Senda, Toshiya Senda, Kentaro Hanada and Ryuichi Kato
ACS Infectious Diseases, In Press
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsinfecdis.2c00108
エンテロウイルスの複製には、宿主細胞のタンパク質PI4KBとOSBPが必要とされます。今回、国立感染症研究所ウイルス第二部第二室と高エネルギー加速器研究機構構造生物学研究センターとの共同研究により、ヒトOSBPの脂質輸送に関与する領域のX線結晶構造解析による立体構造の決定に成功しました。さらにOSBP阻害剤T-00127-HEV2との相互作用に必要とされるアミノ酸残基を同定し、OSBPの新規活性解析法の開発に成功しました。これまでにT-00127-HEV2を含めて幾つかのOSBP阻害剤が報告されていますが、今回得られたOSBPタンパク質の構造を基にして、効果的な活性を示す抗ウイルス薬の開発が進むことが期待されます。