Nakao R, Kobayashi H, Iwabuchi Y, Kawahara K, Hirayama S, Ramstedt M, Sasaki Y, Kataoka M, Akeda Y, Ohnishi M.
NPJ Vaccines, Nov 26;7(1):153, 2022
感染症に対するワクチンは、年齢や疾病の有無を問わず安全に投与でき (安全性)、かつ防御免疫を付与できる (ワクチン効果) ことが望ましい。本論文では、プロバイオティクスが放出するナノ粒子である膜小胞 (MVs)を活用した新しいワクチン法を報告した。遺伝子組換え技術により、病原体を覆う莢膜抗原をプロバイオティクス大腸菌MVsの最外層に発現させたワクチンを作製した。このキメラ型MVsの特長として、熱に対する高い安定性、長期にわたる免疫誘導能力、さらに高齢個体においても強力に免疫を付与できることが明らかとなった。既存の感染症、また将来起こりうる感染症への備えとして、当該 MVsワクチンのプラットフォームの活用が期待される。
本研究はJSPS、AMEDの支援を受けて実施された。