Ryutaro Kotaki†, Yu Adachi†, Saya Moriyama†, Taishi Onodera†, Shuetsu Fukushi, Takaki Nagakura, Keisuke Tonouchi, Kazutaka Terahara, Lin Sun, Tomohiro Takano, Ayae Nishiyama, Masaharu Shinkai, Kunihiro Oba, Fukumi Nakamura-Uchiyama, Hidefumi Shimizu, Tadaki Suzuki, Takayuki Matsumura, Masanori Isogawa, Yoshimasa Takahashi († These authors contributed equally)
Science Immunology (2022), DOI: 10.1126/sciimmunol.abn8590
mRNAワクチン2回接種後に、オミクロン株に対して中和活性を有する抗体が記憶B細胞に保存されていることを見出しました。今回の発見により、3回接種やブレークスルー感染によってオミクロン中和活性をもつ抗体が血液中に産生されるメカニズムの解明につながることが期待されます。
オミクロン株は多くのアミノ酸変異によりmRNAワクチン2回接種後に誘導される血液抗体から強く逃避しますが、3回接種やブレークスルー感染後の血液にはオミクロン中和抗体が誘導されることが報告されています。本研究では、mRNAワクチン2回接種後に誘導された記憶B細胞を取り出し、この細胞に保存されている抗体を解析しました。すると、中和活性をもつ抗体のうち、約30%の抗体がオミクロン株への中和活性を保持していることを明らかとしました。ワクチン3回接種やブレークスルー感染後には、これら記憶B細胞が反応してオミクロン株に対する中和抗体を血液中に産生する可能性が示唆されます。
本内容はAMEDの研究支援を受けて実施しました。