発光ペプチドタグを付加したHIV-1の超迅速な産生定量系の樹立

発光ペプチドタグを付加したHIV-1の超迅速な産生定量系の樹立

2020年8月26日

Super-rapid quantitation of the production of HIV-1 harboring a luminescent peptide tag.

Seiya Ozono, Yanzhao Zhang, Minoru Tobiume, Satoshi Kishigami, and Kenzo Tokunaga.

J. Biol. Chem. (2020) Jul 20:jbc.RA120.013887.

HIVおよびレンチウイルスベクターを用いる研究において、ウイルス定量には一般的に市販のELISAキットを使用するが、コスト的・所要時間的に大きな負担がかかる。これを解決すべく、近年開発された発光型ペプチドタグHiBiTをインテグラーゼのC末端に付加した完全長HIV-1プロウイルスDNAまたはレンチウイルスベクターを構築した。

HiBiT配列付加はウイルス産生および感染性に影響せず、電顕観察においてもウイルス粒子の形態異常を認めなかった。またp24 ELISAとHiBiTルシフェラーゼアッセイによる同一サンプルを用いた定量比較により、非常に高い相関係数が得られた。今回樹立したウイルス定量システムにより非常に正確・便利・簡易・安価でかつ超迅速なウイルスの定量を行うことが可能となった。

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