Natalia A. Molodecky, Roland W. Sutter, the Switch Evaluation Sounding Board (Walter Orenstein, Rana Muhammad Safdar, Hiroyuki Shimizu, J Peter Figueroa, Rose Gana Fomban Leke, Sunil Kumar Bahl, John Sever)
2016年、世界ポリオ根絶イニシアチブは、三価OPVからSabin 2株を除いた二価OPVへの切り替え(switch)を世界的に実施しました。2016年のswitch以降、2型cVDPV流行によるポリオ症例数および流行地域は大幅に拡大しcVDPV流行は現在も終息していません(Fig.)。本研究では、2016年に実施されたswitchの失敗の原因について解析・評価し、cVDPV2流行への準備と対応が不十分かつ不徹底であり、流行初期段階でcVDPV2伝播を停止できなかったことが大規模流行をもたらしたことを明らかにしました。ポリオ根絶最終段階で現行の二価OPV接種を世界的に停止する場合には、2016年のswitchの失敗を教訓に、より厳格な接種停止条件を設定することが重要と考えられます。