インフルエンザ全粒子ワクチンは、TLRシグナルを介し迅速な高親和性メモリーB細胞応答を惹起する

インフルエンザ全粒子ワクチンは、TLRシグナルを介し迅速な高親和性メモリーB細胞応答を惹起する

2016年4月11日

immunology 2016 1Whole-virion influenza vaccine recalls an early burst of high-affinity memory B cell response through TLR signaling

Taishi Onodera, Akira Hosono, Takato Odagiri, Masato Tashiro, Shuichi Kaminogawa, Yoshinobu Okuno, Tomohiro Kurosaki, Manabu Ato, Kazuo Kobayashi, and Yoshimasa Takahashi

Journal of Immunology, published online 6 April, 2016 (doi: 10.4049/jimmunol.1600046)

不活化インフルエンザワクチンは、全粒子とスプリットの2種類の剤形があるものの、ブースト効果に与える影響は不明である。今回我々は、全粒子ワクチンがスプリットワクチンで認められないT細胞非依存的メモリー抗体応答を速やかにブーストすることを発見した。

 このT細胞非依存的応答は、T細胞依存的メモリー抗体応答よりも中和活性と親和性に優れており、B細胞内在性のToll様受容体に依存することが明らかとなった。我々の結果は、不活化全粒子ワクチンに含まれるToll用受容体のリガンドが、メモリーB細胞に作用して抗体応答を質的に改善することを示し、今後のブースト用ワクチンの開発に重要なヒントを提供する。本研究は、国立感染症研究所免疫部•インフルエンザウイルス研究センターとの共同研究の成果である。

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