Kenri T, Yamazaki T, Ohya H, Jinnai M, Oda Y, Asai S, Sato R, Ishiguro N, Oishi T, Horino A, Fujii H, Hashimoto T, Nakajima H, Shibayama K
Front. Microbiol., 19 June 2023
肺炎マイコプラズマ(Mp)は遺伝子型によって1型と2型の系統に分類できる。2つの系統間では感染性に必須な細胞接着タンパク質P1とP40/P90にも違いがある。2019年と2020年に国内で分離された118株のMp を調べると、2型系統が優位であり(75%, 89/118)、その大部分は2c型か2j型のP1を持つ株だった。P1が2c型と2j型の株は近年国内で検出割合が増加している(図)。2c型と2j型のP1とP40/P90は90年代に多かった古典的な2型と比べると、分子表面のアミノ酸残基に置換が見られる。これらが細胞接着タンパク質の抗原性を変化させ、2c型と2j型のMpが増加する要因となった可能性も考えられる。2型系統株のマクロライド耐性率も微増傾向にあり、今後もMp分離株の調査が必要である。