リケッチア症、クラミジア症、Q熱の行政依頼検査について

リケッチア症、クラミジア症、Q熱の行政依頼検査について

2025年10月21日

行政依頼検査について(細菌第一部 第六室)


医療機関から直接の検査依頼は受付できません。必ず、地方自治体の衛生研究所、所管の保健所で検査が可能かをまずご相談ください。当室では、地方自治体で不可能な際に、検査を担当しています。

<書式>

【対応検査】

<リケッチア感染症>
・遺伝子検出(realtime PCR、nested PCR、検査対象:つつが虫病リケッチアおよび紅斑熱群リケッチア)
・抗体価測定(間接蛍光抗体法、検査対象:つつが虫病リケッチア、紅斑熱群リケッチアおよび発疹熱リケッチア)


<Q熱>
・遺伝子検出(realtime PCR、nested PCR、検査対象:Q熱コクシエラ)
・抗体価測定(間接蛍光抗体法、検査対象:Q熱コクシエラII相菌)


<オウム病(クラミジア感染症)>
・遺伝子検出(nested PCR、検査対象:クラミジア属菌(オウム病クラミジア含む))
・抗体価測定(MicroIF法(間接蛍光抗体法)、検査対象:クラミジア属菌(オウム病クラミジア含む))


*<エーリキア/アナプラズマ感染症>
リケッチア症の鑑別診断として実施しています。特に本症が疑われる際に、遺伝子検出および抗体価測定*が可能です。(*PCR陽性時のみ)

【行政依頼検査に関するお願い(地方自治体の担当者様へ)】

*上記の感染症が疑われる臨床所見に加え、ダニの刺口、動物や鳥との接触、野外の行動歴などがあり感染の可能性があった場合のみ検査を受け付けます。熱性の原因不明の疾患の検査や否定試験などは原則対象外です。
*依頼前に必ず検査の可否について、下記の連絡先にご相談ください。相談なく送付されると検査ができない場合があります。

<検査検体>

遺伝子検出
・リケッチア感染症:急性期の全血(抗菌薬投与前、500~1,000µl 程度、少ない場合は要相談)、痂皮など
・Q熱:急性期の全血(同上)など
・オウム病:急性期の咽頭スワブ、喀痰など


抗体価測定
・全ての検査:急性期および回復期血清(ペア血清、500~1,000µl 程度、少ない場合は要相談)
*2~3週間ほどの間隔を開けて採取した血清が望ましい。
*シングル血清でも測定は行えますが、判定が保留になる場合がしばしばみられます。

<行政検査依頼書>

行政検査依頼書の原本は、封筒に行政検査依頼書在中と朱書きのうえ、
村山庁舎(〒208-0011 東京都武蔵村山市学園4-7-1)の国立感染症研究所総務部業務管理課検定係宛に送付をお願いします。(捺印を省略している場合は、メールの添付でお送りください。その際は、その旨お知らせ下さい。こちらから、検定係に転送します。)

<検体の送付先>

検体は、行政検査依頼書のコピーと共に戸山庁舎のウイルス第一部 第五室の小川基彦宛で平日午前中着にて送付をお願いします。
〒162-8640 東京都新宿区戸山1-23-1 国立感染症研究所 ウイルス第一部 第五室 小川基彦


*行政検査依頼書と送付先が異なります。ご注意ください。

<<送付時のお願い>>

患者様の症状の概略や血液検査の結果(様式あり)もお送りください。
また、以下の点も担当医にご確認の上、記載ください。
Q:発症前(潜伏期間およそ2~8日)の行動歴、疑わしい行動があるか。例)野外でダニに刺された(日本紅斑熱、つつが虫病)、オウムを飼っている(オウム病)、牛の出産に立ち会った、飼い猫が流産した(Q熱)など)
Q:検査を依頼する感染症を強く疑った理由
Q:治療内容(抗生剤投与の有無)


*リケッチア症の流行時期には、検査全般にお時間がかることをご承知おきください。
(基本、急性期の検体の遺伝子検出(PCR)をまず行い、暫定結果をお送りしています。血清診断は、ペア血清がそろってから行っています。)


細菌第一部 第六室 検査スタッフ一同
連絡先:小川 基彦 (主任研究員)
03-5285-1111(代表)