エイズ研究センター
エイズ研究センターはHIV/AIDSに関する研究を強化することを主目的に1988(昭和63)年4月に設置された。同センターは現在4室から成り、HIVの属するレトロウイルスに起因する感染症を対象として、特に今後のHIV感染症制圧に資する複雑系・多階層の生物学研究を先導している。業務内容は、国内及びアジア・アフリカ地域のHIV感染動向把握・疫学的解析、HIV・HTLV臨床診断・検査技術の整備・向上、新規病態指標の探索及び国内薬剤耐性HIV変異モニタリングに加え、HIVとその関連ウイルスの増殖/病原性発現機序に関する研究、動物実験モデルの運用・感染免疫動態の理解を包含した複雑系ウイルス-宿主相互作用の解明等である。さらに、従前の抗ウイルス剤・ワクチン開発と異なり協奏しうる新機軸の免疫・病態制御研究を推進している。国内外の一線研究機関との連携を多角的に進めるとともに、HIV流行地域であるアジア・アフリカ等を主対象に、診断検査技術向上等を目的として、JICAと連携しHIV及び関連感染症のコントロールに向けた診断検査・サーベイランス強化・ラボ構築に関する国際研修を年一回開催している。
第一室(HIVサーベイランス・制圧施策研究室)
国内外のHIV (及びその他のレトロウイルス) 感染拡大状況の把握を目的とし、数理動態モデル確立を基軸にした感染動向の調査、各地域ウイルス多様性の分子疫学的解析、ウイルスゲノム進化研究の推進を目指している。更にそれらと連動した制圧施策の基盤として、本邦における薬剤耐性HIV変異のモニタリング研究を統括的に進めている。
第二室(ヒト感染免疫学・検査研究室)
HIV (及びその他のレトロウイルス) 感染診断技術の評価試験を行うとともに、ウイルスの多様性に対応できる高度な診断技術確立に向けた基盤整備に取組み、診断検査技術の向上・精度管理に貢献している。また近年に至るHIV制御動態も踏まえた、新たな免疫学的バイオマーカー開発の基盤となるヒト感染免疫学的研究を複合的に推進している。
第三室(ウイルス - 宿主相互作用研究室)
HIV (及びその他のレトロウイルス)の分子-細胞-個体-集団におけるヒト・宿主との相互作用を解明することを目的に、新たな免疫制御・病態制御に資する異分野融合型の複雑系生物学を先導すると共に、その延長線上としてのHIV制圧に資する研修ベースの国際連携を30年来蓄積・推進している。
第四室(分子ウイルス学研究室)
分子生物学・ウイルス学を基盤に、HIV (及びその他のレトロウイルス) の各構成要素の構造・機能に関する研究、及びpreparednessの視座も織り込む形でウイルス複製・病態の機序と関連する宿主因子・新規モデル生物研究を推進し、感染病態基盤の解明による疾病制圧への貢献を目指している。


